S環境解説【初級編】
0.はじめに
ブログへのアクセスありがとうございます。シンクロ連合の浜谷です。
前回の記事では、S環境の概要(ルール・レギュレーションの変更点等)についてご紹介させて頂きました。
まだ目を通されていない読者様には、先にこちらの記事を読んで頂くことをお勧め致します。
前回の記事はこちらかどうぞ。
改めまして、こんにちは。浜谷です。
今から約9年前の2013年、S環境は「シンクロ連合考案のオリジナルレギュレーション」としてスタートを切りました。
そして長年の調整を経て、2020年11月27日YouTube動画にて「レギュレーション公開」を行いました。
今回は、今まで具体的にお話する機会のなかった"S環境の本質"についてご紹介させて頂きます。
この記事を通して"S環境の魅力"を最大限お伝えできるよう善処を尽くします。
それでは最後までのお付き合いを宜しくお願い致します。
1.S環境の魅力
S環境は、従来の2011年環境と「ゲームの性質」が異なります。
従来の2011年環境が"罠で咎め合うゲーム"であるのに対し、S環境は"自分の展開をどこで通すか"を探り合い、どちらが先に"相手のLPを削りきれるか"を競うゲームです。
では具体的に、S環境の特徴を解説していきます。
その1.自分のやりたいことが表現できる
「大嵐」は、1ターン"自分のやりたいこと(展開)ができる権利"を得るカードです。
S環境では「大嵐」が制限カードとして存在するため、ゲーム序盤から"罠を複数枚セット"する行動に"リスク"が生じます。
では「大嵐」を回避するため、セットするカードを「1枚だけ」にした場合はどうでしょうか。
そうです。この状況に対して「サイクロン」を発動した場合、「大嵐」同様1ターン"自分のやりたいこと(展開)ができる権利"を得ることが可能です。
S環境では、上記の2枚が成す「リスクヘッジの相互関係」が"自分の展開を通しやすい"事に繋がっています。
- 大嵐との向き合い方 -
「大嵐」の存在により"自分の展開を通しやすい"S環境ですが、当然相手の"大嵐ケア"が求められます。
ドローを含む初手の6枚に「大嵐」を引き込む確率は約15%..。
制限カードである「大嵐」をドローする確率はターンの経過と共に上昇していき、6ターン目には実に"30%"を超える数値となります。
また、「未来のドローカード3枚」にアクセスが可能な「強欲で謙虚な壺」を発動した場合、更にこの確率は高い数値となります。
当然サーチカード等の発動により「残りのデッキ枚数」が減少している場合も同様に、「大嵐」をドローする確率は上昇していきます。
上記のことから"大嵐割り切りプレイ"は、"安定した勝率を残すことが難しい戦術"であることがわかります。
・デッキ構築
S環境では、"防御札の構え方"を散らす事で、安易な"大嵐割り切りプレイ"を防ぐ事が可能です。
"罠の複数枚セット"に明確な"リスク"が存在するS環境では、実際のゲームメイクを見据えた"防御札の採択"が構築の鍵を握ります。
従来の2011年環境と異なり"防御札1枚が勝敗を左右する"S環境では、"デッキコンセプトを最大限活かす構築"がプレイヤーの腕の見せ所となります。
・プレイング
S環境では、ゲームの決定打とならないタイミングで「大嵐を消費させること」が、安定した勝率に繋がります。
例えば、2ターンの攻撃でライフを奪い切る「2ターンキル」を仕掛けることで、相手が「反撃せざるを得ない盤面」を作り出します。
そうすることで、「ゲーム序盤」や「伏せカード1枚」といった「得られるリターンが少ない状況」での「大嵐」発動を誘発することが可能です。
"反面教師"となる動画はこちらからどうぞ。
S環境では、ダメージプレッシャーを与える事で情報を引き出し、"相手のプランを推測してゲームメイクを行うこと"が基本プレイの1つです。
また、ブラフを駆使することで"プランの偽装が可能"なS環境では、"四大全体除去"の存在がゲームに大きな影響を与えます。
S環境では、「カードの置き方」に"無数の選択肢"が存在します。
同じ手札でも、"プレイング次第で全く違ったゲームメイクが可能"であることが、S環境の"やりこみ要素"の1つです。
・まとめ
S環境を制するには、「大嵐」を"運要素"だと思い込まないことから始まります。
「大嵐」起点での決着を"運で負けた"と終わらせるのではなく、"本当の敗因を探ること"が"ひとつ上のステージ"へ進む為の第一歩となります。
「ターニングポイントはどこにあったか」
「ゲームメイクプランは正しかったのか」
「構築段階での戦略は間違っていないか」
S環境では「デッキ構築」「プレイング」を見つめ直し、研鑽を積み重ねることが「勝率アップ」へと繋がります。
S環境は、様々な"やりこみ要素"で溢れるオリジナルレギュレーションだからこそ、"何年遊び続けても楽しい"遊戯王の実現を可能としています。
その2.シーソーゲームが楽しめる
お互いに"自分のやりたいことを通しやすい"S環境では、決闘の展開が著しく移り変わります。
そのため常にターニングポイントが異なり、毎試合ハラハラドキドキの"シーソーゲーム"を楽しむことができます。
- 環境デッキの規制 -
2011年当時の環境デッキには、「六武衆」「デブリジャンド」「TG代行天使」が存在します。
それぞれ「勝利に直結する展開パターン」を持つ環境デッキの中でも、一際強力なギミックであったのが「TG代行天使」の"1ターンキル"です。
〈 1ターンキルの特徴 〉
①下準備を必要としない高速展開
⇒墓地リソースに依存せず、ゲーム序盤から1ターンキルを仕掛けることが可能
②1ターンキルに特化しない構築
⇒ヒュペリオン召喚を目指す基本展開から繋がる為、安定したゲームメイクが可能
③1ターンキルの再現性が高い
⇒コンボパーツが「無制限」+「サーチ可能」なカードで構成されている
「高速」「安定」「再現性」を兼ね揃えた"1ターンキル"という、当時「他のデッキには真似できない」強力なギミックを持つ「TG代行天使」は、環境上位へと上り詰めます。
しかし、「エクシーズ召喚未実装」であるS環境では、「TG代行天使」の"1ターンキル"に事実上の制限が施されています。
「TG代行、S環境だと全然強くないですよね?」
これは、S環境を"初めてプレイする"視聴者さんより頂いたお言葉です。
果たして"1ターンキル"を失った「TG代行天使」は、S環境での活躍が難しいのか..。
「TG代行天使」の長所を改めて確認してみましょう。
〈 TG代行天使のココが強い 〉
①アース召喚の圧力
⇒アド+1に留まらず、トリシューラ召喚へのリーチがかかる
②TGストライカー+ヴィーナスの展開
⇒アース突破後も、トリシューラの驚異が継続する
③ヒュペリオンの存在
⇒ダムド(制限)に匹敵するカードが3枚使用可能
④準1ターンキルは健在
⇒ヒュペリオンを絡めることで、LP7000前後を1ターンで削り切ることが可能
⑤明確な勝ち筋が豊富
⇒クリスティア(ゲームエンド能力が高い)の運用が容易
注目すべきは、"オーソドックスな【1ターンキル】以外には規制が施されていないこと"です。
対戦相手と"キャッチボールが楽しめる遊戯王"をテーマとするS環境では、"ワンサイドゲームを誘発する一部のギミック"に規制が施されています。
S環境では、"デッキコンセプトの維持"と"ゲームバランスの調整”を両立させることで、"2011年の遊戯王が最大限楽しめる"オリジナルレギュレーションを目指しています。
- マイナーデッキの可能性 -
"ゲームテンポが一定とならない"S環境では、様々なデッキに"活躍のチャンス"が存在します。
"罠で咎め合う"従来の2011年環境と異なり"ゲーム序盤からLPの変動が起こりやすい"ことが、S環境の特徴の1つです。
また、"自分のやりたいことを通しやすい"S環境では、「相手のLPを少しでも削ること」が「勝率アップ」へと繋がります。
S環境では、”ゲーム序盤からLP8000を1ターンで削り切ること"は容易なことではありません。
しかし、【LP6000以下】という条件下であれば「墓地リソース」や「蘇生札」を用いることで、多くのデッキが"ワンチャンスを掴む"ことが可能です。
そのためS環境では、「神の警告」を「あえて発動させる」ことで"勝利への布石とする"戦術が存在します。
上記のことからも、S環境では「ライフ管理能力」や「ゲームメイク能力」といった"プレイヤースキル"が、勝敗に大きな影響を与えることがわかります。
群雄割拠と言われながら"実際は勝てるデッキが限られていた"従来の2011年環境にはない"奥行きのある駆け引き"が楽しめる遊戯王、これが"S環境の醍醐味"です。
その3.戦略の幅が広い
"強力なパワーカードで相手を蹂躙する"理不尽展開の少ないS環境では、"勝利へのプロセス"を意識した「戦略」が、ゲームメイクを行う際の「重要なファクター」となります。
- デッキタイプ -
2011年の「デッキタイプ」は、大きく分けて3つの【型】に分類されます。
"ゲームテンポが一定とならない"S環境では、上記の【型】を組み合わせた「ハイブリッドデッキ」を構築することで、同じアーキタイプであっても"幅広い戦略"を立てることが可能です。
S環境では、実際のゲームメイクを意識して「戦略」を立てることが、「質の高いデッキ構築」へと繋がります。
- デッキコンセプト -
S環境では、相手のLPを奪う【速度】を変化させることで、「高速」「中速」「低速」という異なる「デッキコンセプト」を用意することが可能です。
【型】と【速度】を意識した「戦略」が交差するS環境には、お互いのプランを探り合う"奥行きのある駆け引き"が存在します。
光アンデA:「ビートダウン型」「低速」
光アンデB:「ビートダウン型」「高速」
"消耗戦が基本となっていた"従来の2011年環境と異なり、S環境では「デッキコンセプト」次第で「防御札の採用枚数」に変化が生まれます。
"様々なゲームメイクが可能"なS環境では、"マンネリ化が起きない"ことが特徴の1つです。
「真剣勝負」と「カジュアル」を両立できる「ハイブリッドレギュレーション」、これが"S環境の本質"です。
2.S環境の対戦環境
S環境には、"視聴者さん同士の交流"を目的とした「対戦環境」が存在します。
私たちシンクロ連合が運営する「S環境リモート対戦専用Discordサーバー」にご登録頂くことで、いつでもS環境対戦を楽しむことが可能となります。
また、リモート対戦の様子を見学することができる「観戦卓」も用意されているので、興味のある方は是非ご参加下さいませ。
- 登録手順 -
①Discordのリンクをクリック
②招待を受ける
③はじめにを読もう
④設定ボタンを押す
⑤入力装置を設定する
⑥対戦募集チャンネルで対戦を募集しよう
⑦カメラをオンにして対戦相手をまとう
- 注意事項 -
①S環境以外の対戦はご遠慮ください
実際にS環境がプレイできる「交流の場」を提供することで、普段ご支持を頂ける視聴者さんへ「恩返し」がしたいと考えております。
S環境を快適に遊んで頂くために、「S環境以外のレギュレーション」「その他コンテンツ」を目的としたご利用はご遠慮下さいませ。
ご理解の程、宜しくお願い致します。
②シンクロ連合をチャンネル登録しましょう
動画の高評価・チャンネル登録・コメント、大歓迎で御座います。
視聴者さんと一緒に「S環境コミュニティ」を形成し、チャンネルを盛り上げることができたら嬉しいです。
③コミュニケーションをとって仲良く対戦しましょう
対戦相手と顔を合わせない「リモート対戦」では、「電話」や「メール」以上にコミュニケーションを意識しましょう。
「対戦回数の多い方」と「はじめましての方」では「関係性」が異なるため、対戦相手との「適正な距離感」を保ってS環境対戦を楽しみましょう。
3.最後に
今回は「誰でもわかりやすい」をテーマに、S環境解説【初級編】と呼べる内容をまとめてみました(中級編・上級編・シークレット編の公開は未定ですが..笑)。
長年に渡り調整を重ねてきたS環境は、私たちシンクロ連合が「2011年環境の決定版」であると自信を持って言える「オリジナルレギュレーション」です。
S環境解説の記事を公開することで、一人でも多くの「S環境プレイヤー」が誕生するきっかけとなれば幸いです。
最後までお付き合い頂きありがとうございました。